帯状疱疹とは
水ぼうそう(水痘)の原因である水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる疾患になります。
同ウイルスは一度感染してしまうと、水ぼうそうの症状が治まっても体外へ排出されることはなく、後根神経節内に潜伏するようになります。その後、加齢をはじめ、過労やストレス等によって免疫力が低下するようになると、潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスは再活性化し、神経(主に胸神経)の支配領域に沿って、ピリピリした痛みや感覚障害が引き起こされます。さらに数日が経過すると、片側性の皮疹が痛みのある部位を中心に現れるようになります。皮疹に関してですが、最初は赤い発疹がみられ、それが水疱(水ぶくれ)や膿胞に変わり、最終的には痂疲(かさぶた)化して、これが剥がれ落ちると治癒ということになります。
これらの症状というのは3週間程度で治まるようになります。ただ高齢になって発症した、帯状疱疹が重症化したという場合は、皮膚症状が治まってもピリピリした神経の痛みがいつまでも残ることがあります。これが3ヵ月以上続くと帯状疱疹後神経痛と診断され、この痛みを取るための治療が別に必要となります。この帯状疱疹後神経痛のリスクをできるだけ低減させるために行うのが帯状疱疹ワクチンです。当院は、文京区が実施する帯状疱疹予防接種の指定医療機関でもあります。詳細につきましては、お気軽にお問い合わせ下さい。
治療について
水痘帯状疱疹ウイルスの活動を抑えるために抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル 等)を使用します。また疼痛を抑制するための治療としては、NSAIDs、アセトアミノフェン等が用いられます。このほか、帯状疱疹後神経痛の治療の場合は、プレガバリン、ミロガバリン、三環系抗うつ薬などの薬物療法となります。
なお帯状疱疹後神経痛のリスクをできるだけ低減させるために行うのが帯状疱疹ワクチンです。当院は、文京区が実施する帯状疱疹予防接種の指定医療機関でもあります。同ワクチンは、任意接種なので費用は全額自己負担ですが、文京区では費用の一部が助成されます。
この帯状疱疹ワクチンは2種類(生ワクチン、不活化ワクチン)ありますので、接種時はどちらかを選択する必要があります。それぞれの特徴ですが、生ワクチンは50歳以上の方を対象とし、1回の接種となります。一方の不活化ワクチンは、50歳以上の方だけでなく、18歳以上の方で帯状疱疹を発症するリスクの高い方も含まれます。この場合は計2回の接種が必要で費用は高額ですが、生ワクチンと比較すると予防効果は高いです。どちらも文京区の公費助成の対象となります。詳細につきましては、文京区の公式サイトをご参照下さい。
文京区の「帯状疱疹予防接種費用助成について」は→ こちら