ヘルペスとは
ヘルペスウイルス感染症のひとつで、単純ヘルペス1型(HSV-1)もしくは単純ヘルペス2型(HSV-2)に感染することで発症する皮膚疾患(単純疱疹)のことです。なおヘルペスウイルスというのは、一度感染してしまうと体外に排出されず、症状が治まった後も神経節に潜伏し続けます。その後、加齢や過労などによって、身体の免疫力が低下すると同ウイルスは活性化し、皮膚症状などが再発することがあります。
感染経路に関してですが、HSV-1は接触感染や飛沫感染等によって感染するとされ、20代で半数程度の方が感染するとされています。またHSV-2に感染する大半の患者様は性行為によるものです。
主な症状に関してですが、HSV-1の初感染時では、幼少時であれば自覚症状が出にくいので気づかないうちに感染していたということもあります。症状がある場合ですが、感染部位が赤く腫れる、水ぶくれになるなどの症状が現れます(ヘルペス性歯肉口内炎、オーラルセックスによる性器ヘルペス、ヘルペス性ひょう疽、カポジ水痘様発疹症 等)。やがて症状が治まるようになると、三叉神経節に同ウイルスは潜伏します。その後、免疫機能が低下するなどした際にHSV-1が活性化すると、回帰発症として口唇ヘルペス(口の周りにピリピリした痛み、紅斑や水疱がみられる)、角膜ヘルペスなどが現れるようになります。
一方のHSV-2ですが、初感染時は原因となる性行為から2~10日の潜伏期間を経てから発症します。外陰部に痛みを伴う小さな水疱や潰瘍がみられるようになります(性器ヘルペス)。症状は一週間程度で治まり、HSV-2は仙骨神経節に潜伏します。再発することもありますが、その場合も性器ヘルペスの症状が現れます。ただ初感染時と比較すると症状は軽度です。
なおヘルペスの診断については、問診や視診によってつくようになります。
治療について
抗ヘルペスウイルス薬による内服薬が中心となります。性器ヘルペス(HSV-2)で初感染時に重症という場合は、点滴静注を選択することもあります。